2025年7月2日
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家づくり
廿日市市で家を建てる前に知りたい「景観法」のこと
広島県廿日市市で家づくりを検討している方に、ぜひ知っておいていただきたいのが「景観法」です。
廿日市市は海、山、厳島神社をはじめとする歴史的建造物が調和する美しい街並みを大切にしている地域のため、家を建てる際には「建物の高さ」「外壁の色」「屋根の形」などの規制を受ける恐れがあります。
家づくりで希望が叶わなければ後悔してしまいかねません。
そこで、今回は家を建てる前に知りたい「景観法」について解説します。
目次
1.景観法とは
2.廿日市市の景観づくり「廿日市市景観計画」
3.廿日市市で家を建てる際の注意点3.廿日市市で家を建てる際の注意点
4.まとめ
1.景観法とは
■出典:「景観法の概要」(国土交通省)
景観法とは美しく調和の取れた景観を守ることを目的とした法律で、2004年に施行されました。
この法律に行政団体(景観施策を実施する自治体)は景観計画を立てられるようになり、景観地区の建物の高さや色、屋根の形状など細かなルールを設けることができるようになりました。
景観法に基づき設定されるのが景観地区
景観地区とは、美しく調和の取れた景観を守るために、景観計画にて建物についての制限が定められている地区です。
例えば、景観地区で家を建てる場合には、周囲の街並みに馴染むような色が求められます。
また、川の対岸や橋の上など、遠くから見たときの印象にも配慮し、建物が周囲に圧迫感を与えないように配置しなければなりません。
建物の高さに関しても極端に周囲より高くならないように注意しなければなりません。
このように建物についての制限が定められているため、家づくりの前に土地が景観地区に指定されていないか確認しておくことをおすすめします。
景観条例との違い
景観法と景観条例は役割が違います。
景観法とは、国が定めた法律で美しく調和のとれた景観を守ることを目的としています。
景観法により、行政団体は地域の特性に合わせて景観計画を作成でき、良好な景観の形成を目指すことが認められています。
一方で、景観条例とは行政団体が定めた景観計画におけるルールです。
建物の色や高さ、配置などを規制し、その地域の景観を守るための指針となっています。
つまり、景観法が枠組みで景観条例は地域で作られた具体的なルールとなります。
2.廿日市市の景観づくり「廿日市市景観計画」
広島県廿日市市は、海、山、厳島神社をはじめとする歴史的建造物が調和する美しい街並みが魅力の地域です。
美しい街並みを守り育てていくため、廿日市市は2012年に「廿日市市景観計画」を策定しました。
廿日市市景観計画の目的
廿日市市景観計画は美しい街並みや自然環境を守り、将来にわたって魅力ある景観を維持することを目的としています。
海、山、厳島をはじめとする歴史的建造物が調和する美しい街並みを乱さないまちづくりを目指しています。
それに伴う基準や建築工事に関する規制内容を理解してもらうために、ガイドブック『守り育てるはつかいちの景観づくり~廿日市市景観形成の手引き』を発行しています。
エリアで異なる景観ルール
廿日市市では、エリア毎にルールが異なります。
審査に通過しなければ設計変更が求められ、工期が遅れてしまうため、各エリアで異なる景観ルールを理解しておきましょう。
●市の全域
まず、市の全域が景観計画区域に指定されているため、一定の規模を超える建築行為(高さ13メートル以上または延床面積1,000㎡以上)には届出が必要です。
2階建て住宅は届出が不要と思われがちですが、大きな吹き抜けのある家などでは、想定以上の高さになることもあります。
●宮島口周辺
宮島口周辺は観光拠点のため景観重点区域に指定されており、厳しく管理されているため、全ての建築行為が届出の対象になります。
●宮島口周辺(景観地区)
景観地区では都市計画が決定されており、家を建てる場合は届出のほか、市と協議しなければなりません。
協議では建物の形状や色味、敷地内の緑化やフェンスの種類に至るまで確認されます。
確認済証及び認定証の交付を受けなければ家を建てられないため、信頼できる住宅会社の設計と連携して協議に備えましょう。
3.廿日市市で家を建てる際の注意点
廿日市市で家を建てる際は景観に関するルールをあらかじめ理解しておくことが大切です。
ルールを知らずに土地探し、家づくりを始めてしまうと理想が叶わなくなります。
そのため、廿日市市で家を建てる際の注意点を押さえておきましょう。
事前に確認すべきポイント
■出典:「守り育てるはつかいちの景観づくり~廿日市市景観形成の手引き~」(廿日市市)
廿日市市で家を建てる際には、廿日市市が発行しているガイドブック『守り育てるはつかいちの景観づくり~廿日市市景観形成の手引き』を読んでおきましょう。
この資料では、廿日市市における景観づくりの考え方や、建物のデザイン・色彩・高さなどに関するルールが、わかりやすく整理されています。
また建物本体だけでなく、門扉やフェンス、カーポート、植栽、舗装材など、外構部分の指針もまとめられています。
そのため、家づくりする上で、どのような点に配慮すればよいのか、またどのような手続きが必要になるのかを把握しやすいです。
特に建築場所が景観重点区域や景観地区に該当している場合には、手引きを読み込むことで不要な設計変更や手続きの遅れを防ぐことができます。
よくある失敗と回避法
廿日市市で家を建てる際に景観条例に反してしまい、届出の差し戻しや設計変更が発生するケースも少なくありません。
景観重点区域や計画地区は細かな基準が設けられており、慎重に審査が行われます。
■出典:「守り育てるはつかいちの景観づくり~廿日市市景観形成の手引き~」(廿日市市))
例えば、宮島口では観光客の視界に配慮した景観づくりが求められており、建物の高さが周囲から突出したり、山の稜線を乱したりする設計は避けるべきとされています。
知らずに高く設計してしまうと、宮島からの眺望に影響するとして設計変更が求められる恐れがあります。
■出典:「守り育てるはつかいちの景観づくり~廿日市市景観形成の手引き~」(廿日市市)
また、屋根の色は黒や灰色を基調とした落ち着いた色、外壁は低彩度の暖色系や無彩色系が推奨されています。
敷地の使い方にもルールがあります。
国道2号線に面した敷地では、道路から1メートル以上後退して建てる必要があるほか、敷地内には可能な限り緑化を施すことが望まれています。
これらを知らなければ、理想の家が作れなくなったり、工事期間が長くなったりしてしまいかねません。
そのため、地域の景観条例や景観計画に詳しく、廿日市市で注文住宅を建てた実績を豊富に持っているハウスメーカーや工務店に相談しましょう。
4.まとめ
廿日市市で家づくりする際には、理想の間取りやデザインを考えるだけでなく、景観ルールを理解することが大切です。
景観重点区域や景観地区では、景観条例に沿っているか細かく審査されます。
審査に不合格となると設計変更が求められ、理想の家が建てられなくなったり、工事期間が延びたりします。
このような失敗を防ぎたい方は、地域の景観条例や景観計画に詳しく、廿日市市で注文住宅を建てた実績を豊富に持っているハウスメーカーや工務店に相談してみてください。
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会社名:田中建設株式会社
部署名:経営企画部
執筆者名:大勢待 昌也
執筆者の略歴 保有資格 住宅ローンアドバイザー
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