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2025年12月3日 / 土地

宇部市で土地を探す前に知っておきたいハザードマップ基礎知識

 

緑豊かな公園と便利な都市機能が調和する街の宇部市。

念願のマイホーム計画を進める中で、間取りやデザインと同じくらい大切にしたいのが、家族が長く安心して暮らせる場所かどうかではないでしょうか。

海と山があり、大きな川が流れる宇部市は、自然の恵みが豊かな反面、地形による自然災害リスクもゼロではありません。

もしもの時に後悔しないために、土地探しの段階で正しい知識を持っておきましょう。

今回は、宇部市で家を建てるなら必ず知っておきたいハザードマップの見方と、土地選びの重要ポイントを分かりやすく解説します。

 

目次

1.宇部市のハザードマップでわかること

2.南海トラフ巨大地震による宇部市への影響

3.宇部市で特に気をつけたい“液状化”のリスク

4.家づくりにハザードマップを活かす方法

5.まとめ

 

 

 

1.宇部市のハザードマップでわかること

宇部市で安心して暮らせる土地はどこか?を把握するための資料がハザードマップです。

海・山・川に囲まれた宇部市では、災害の種類も地域によって異なります。

複合的な視点で土地を評価するために、まずは市が公開しているハザードマップの全体像を把握しましょう。

 

 

ハザードマップの種類

宇部市では7種類のハザードマップを公開しています。

これから家づくりする方は、家族が安全に暮らせるか調べるためにハザードマップを活用してください。

 

1. 洪水ハザードマップ

2. 高潮ハザードマップ

3. 土砂災害ハザードマップ

4. ため池ハザードマップ

5. 津波ハザードマップ

6. 内水ハザードマップ

7. デジタルハザードマップ

※2020年の宅地建物取引業法施行規則の改正により、不動産取引契約の重要事項説明において水害ハザードマップを提示し、対象物件が危険区域にあるか否かを説明することが義務化されました。

 

 

宇部市で注意すべき災害

宇部市で注意すべき災害は「洪水」「土砂災害」「津波」です。

 

 

洪水

出典:宇部市「宇部市洪水ハザードマップ」

宇部市で土地を選ぶ際には洪水リスクだけでなく、周辺道路や橋梁を含めた孤立リスクに目を向けることが大切です。

洪水リスクは厚東川や真締川、有帆川の流域で異なりますが、この中でも注意が必要なのは厚東川です。

市役所本庁舎や周辺エリアといった都市中枢までもが浸水リスクに含まれており、洪水時には行政機能が麻痺する可能性があります。

また、寿橋や琴芝橋など橋は、増水時に通行不能となるリスクがあります。

「橋が渡れず避難できない」「陸が孤島になる」といった事態を避けるためにも、避難経路が確保できるかを必ず確認してください。

 

 

土砂災害

出典:宇部市「宇部市土砂災害ハザードマップ」

土砂災害のリスクは、山間部か平野部かによって大きく変わります。

例えば、山間部の船木地区では土砂災害危険箇所が232箇所にも及ぶ一方で、平野部や埋立地主体の鵜の島地区ではわずか2箇所と、地域によって極端な差があります。

山間部で土地を探す場合は、「土砂災害警戒区域(イエローゾーン)」や「特別警戒区域(レッドゾーン)」を確認しましょう。

一方で、平野部は土砂災害リスクが低いですが、洪水や高潮のリスクが高まる傾向にあります。

このような違いがあるため、地域特有のリスクを見極めることが大切です。

 

 

津波

出典:宇部市「宇部市津波ハザードマップ」

沿岸部に位置する宇部市では、津波や高潮への警戒が欠かせません。

特筆すべきは、市の地域防災計画において「津波被害を想定して活動拠点を内陸部へ確保する」という戦略的な方針が示されている点です。

これは行政が、沿岸部の既存拠点は津波発生時に機能不全に陥るリスクがあると認めていることに他なりません。

これから家づくりする人も、海に近いエリアを避けて内陸部の高台を選ぶことが、津波リスク回避策となります。

 

 

 

2.南海トラフ巨大地震による宇部市への影響

今後30年以内の発生確率が高いとされる「南海トラフ巨大地震」は、瀬戸内海に面した宇部市においても決して他人事ではありません。

甚大な被害が予測されるこの地震がどのようなメカニズムで起こるのか、基本知識を押さえておきましょう。

 

 

南海トラフ巨大地震とは

出典:気象庁「南海トラフ地震について」

南海トラフ巨大地震は、駿河湾から日向灘沖にかけて100~150年間隔で繰り返し発生してきた大規模地震です。

将来高い確率で発生が予測されており、広範囲にわたる甚大な被害が懸念されています。

宇部市は地域防災計画の中で、南海トラフ巨大地震の被害想定と対策が練られています。

これから土地を購入する際は、風水害だけでなく、壊滅的な被害をもたらす地震リスクについても考慮するようにしましょう。

 

 

宇部市で想定される被害

宇部市地域防災計画では、南海トラフ巨大地震で最大で5強の揺れが想定されています。

震度5強は、固定していない家具が倒れ、補強されていないブロック塀が崩壊するレベルの揺れです。

しかし、これから家を建てる方が最も警戒すべきは、揺れよりも地盤の液状化です。

沿岸部や河川沿いの低地では地盤がドロドロになり、建物の沈下や傾斜、ライフラインの寸断が引き起こされるリスクがあります。

さらに地盤が緩んで避難しにくい状況の中で津波が来るという最悪のケースも考慮し、避難ルート確保や地盤改良の検討が不可欠です。

 

 

 

3.宇部市で特に気をつけたい“液状化”のリスク

また宇部市での家づくりにおいて無視できないのが、足元の地盤が崩れる「液状化」のリスクです。

沿岸部や河川が多い宇部市では、揺れそのものによる被害に加え、地盤の変化によって家が傾き、住めなくなってしまう被害が強く懸念されます。

そもそも液状化とはどのような現象なのか、そのメカニズムと恐ろしさを解説します。

 

 

液状化とは

出典:東京都都市整備局「液状化現象って何?」

液状化とは、激しい揺れによって地盤が液体のような状態になり、その上に建っている建物が沈み込んだり傾いたりする現象です。

地中にある水道管などの埋設物が浮き上がって破損することもあり、一度発生すると再建に多大な時間と費用がかかります。

とくに水分を多く含んだ砂質の地盤で発生しやすいため、過去に埋め立てられた場所や河川の近くなどは注意が必要です。

 

 

宇部市で液状化の可能性が高いエリア

宇部市で液状化のリスクが高いのは、沿岸部や主要河川の下流エリアです。

これらの地域は堆積層が厚く地下水位が高い傾向にあり、震度5強程度の揺れであっても液状化が発生する条件が揃っています。

洪水の危険区域と重なる地域も多く、水害に弱い土地は地震時の地盤も弱いという相関関係が見られます。

土地を購入する前には、ハザードマップを確認しておきましょう。

 

 

 

4.家づくりにハザードマップを活かす方法

ハザードマップで地域のリスクを知ることは、安全な家づくりのスタートラインに過ぎません。

その情報を自然災害対策に落とし込むことが大切です。

ここからは、ハザードマップを最大限に活かす方法をご紹介します。

 

 

土地選びの際に危険区域を避ける

確実なリスク対策は、ハザードマップの危険区域を選ばないことです。

不動産会社との契約直前になって重要事項説明でリスクを知らされるのではなく、土地探しの段階からハザードマップで安全な場所か確認するようにしましょう。

とくに特別警戒区域(レッドゾーン)は、生命の危険だけでなく、将来的な資産価値の低下や売却の難しさにも直結します。

船木地区のように土砂災害リスクが集中している地域や、厚東川周辺の浸水リスクが高い地域を検討する場合は、そのリスクを許容できるか慎重に判断しましょう。

 

 

リスクを考慮した間取りにする

どうしてもリスクのあるエリアに住む必要がある場合は、減災対策を講じましょう。

例えば、浸水リスクがある地域では、基礎を高くして床下浸水を防いだり、電気設備や分電盤を2階以上に設置して停電リスクを軽減したりする工夫が有効です。

また、浸水時に垂直避難ができるよう、主寝室や子供部屋を2階に配置するといった間取りの工夫も命を守ることに繋がります。

ハザードマップの浸水深を参考に、どの高さまで水が来る可能性があるかを建築士と共有し、防災設計を取り入れることをおすすめします。

 

 

 

5.まとめ

ハザードマップを活用すれば、家族が安心して住める場所かを把握できます。

厚東川流域の洪水リスクや沿岸部の液状化など、エリアごとのリスクを読み解くことが、後悔しない土地選びに欠かせません。

しかし、ハザードマップを見て、利便性と安全性のバランスを判断するのは難しいものです。

タナカホームズは、宇部市の地形や災害特性を熟知しています。

「検討中の土地は大丈夫?」「水害や地震に強い家にするには?」といった不安も、私たちプロにお任せください。

土地探しから災害に強い設計まで、お客様が長く安心して暮らせる住まいづくりをトータルでサポートします。まずは一度、お気軽にご相談ください。

 

 

 

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会社名:田中建設株式会社

部署名:経営管理室

執筆者名:大勢待 昌也

執筆者の略歴 保有資格 住宅ローンアドバイザー 

執筆者のSNSのリンク:https://www.facebook.com/oosemachi