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2025年12月5日 / 土地
山陽小野田市で土地を探す前に知っておきたいハザードマップ基礎知識

家づくりにおいて、最も取り返しがつかない失敗は災害リスクの高い土地を選んでしまうことです。
どれほど頑丈な家を建てても、土地が危険であれば、家族の安全は守れません。
海や山、川が身近にある山陽小野田市だからこそ、自然災害のリスクを正しく理解する必要があります。
今回は、土地契約の前に必ずチェックしてほしいハザードマップの見方について解説します。
またプロが教える自然災害に強い家づくりもご紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
目次
1.そもそもハザードマップって?
ハザードマップは、地形や河川の位置、降水量などを考慮した計算に基づき、自然災害による被害予測を地図上に可視化したものです。
台風や豪雨、 地震、 津波 の際に、自分がいる場所がどのような状況になるかを把握することができます。
国土交通省と各自治体が、災害時における人的被害を防ぐと共に、何をすべきか普段から考えてもらうためにハザードマップを公開しています。
各自治体(山陽小野田市)のハザードマップには、災害時の緊急避難場所や指定避難所まで掲載されているため、長く安心して住める土地かどうかを見極めるために活用してください。
2.山陽小野田市のハザードマップ
山陽小野田市は瀬戸内海に面しており、厚狭川や有帆川が流れる自然豊かな街です。
しかし、平野部には農業用のため池が点在するなど自然災害リスクを抱えている地域でもあります。
山陽小野田市は市民の安全を守るために5種類のハザードマップを公開しています。
高潮ハザードマップ

高潮ハザードマップは、台風に伴う気圧低下や強風によって海面が上昇し、陸地へ押し寄せるリスクを示したものです。
画像を見ると、沿岸部一帯が赤く染まっており、有帆川などの河川を遡って内陸の奥深くまで海水が侵入するリスクがわかります。
山陽小野田市のハザードマップは「厚狭川・有帆川地区」「埴生地区」「小野田地区」の3ブロックに分かれて公開されています。

赤色で示された区域は想定最大規模浸水深が5.0m以上となり、家屋への被害が甚大になる恐れがあるため、土地選びの際は慎重な確認が必要です。
津波ハザードマップ

津波ハザードマップは、地震によって発生する津波の被害を想定したものです。
マップ上で特に確認してほしいのが、津波の高さが1.0m以上の区域です。
津波の高さが1.0m以上の場合、人は巻き込まれてしまいます。
また、津波の高さが3.0m以上だと木造家屋が全壊、流出してしまいます。
津波は第一波が最大とは限りません。
大人の膝下程度の浸水で歩行困難になるため、リスクを過小評価しないことが大切です。

また山陽小野田市は、南海トラフ巨大地震や周防灘断層群主部の地震、日本海沿岸の地震で想定される最高津波水位といった情報を提供しています。
洪水ハザードマップ

洪水ハザードマップとは、大雨で河川の堤防が決壊し水が溢れ出した場合の洪水被害を予測したものです。
有帆川洪水ハザードマップの画像でもわかるように、市内の広い範囲が浸水エリアに含まれています。
山陽小野田市は、洪水に関する情報の更新を積極的に進めています。
有帆川や厚狭川といった主要河川に加え、前場川や糸根川といった中小河川のリスクも可視化されました。
土砂災害ハザードマップ

土砂災害ハザードマップとは、大雨や地震などによって土砂災害が発生する可能性のある区域を示したものです。
山陽小野田市は平地だけでなく山間部や丘陵地も多い ため、大雨や地震をきっかけとした土砂災害のリスクが点在しています。
ハザードマップには、2つの危険区域が示されています。
(1)土砂災害警戒区域(イエローゾーン)
住民に危害が生じる恐れがある区域。
(2)土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)
建物が破壊され、命に著しい危害が生じる恐れがある区域。
警戒区域は法改正や調査により変更されています。
そのため、昔から住んでいる場所だから大丈夫と思わずに、自分の住んでいる場所が該当していないかを確認してください。
ため池ハザードマップ

山陽小野田市のハザードマップにおける大きな特徴は、ため池ハザードマップが整備されていることです。
農業用水を確保するために作られたため池 が住宅地の近くに存在しており、大雨や地震で堤防が決壊した場合、水位が上昇する恐れがあります。
画像を見ると、池が決壊してからわずか5分〜10分程度で住宅地に水が到達することが示されています。
廃止工事済みとの記載があり、市による安全対策も進められていますが、全ての池が対策済みとは限りません。
避難の猶予時間が短いため、自宅や購入予定地の近くにため池がないかを確認しておきましょう。
3.厚狭川洪水のリスクと厚狭川ハザードマップ

山陽小野田市を流れる厚狭川は、梅雨前線豪雨により甚大な水害を引き起こした歴史があります。
平成22年7月と令和5年7月の豪雨災害は、地域に大きな爪痕を残しました。
現在のハザードマップは、過去の教訓と将来の雨量増加を考慮した想定最大規模で作成されています。
画像中央のように広範囲に広がるピンク色(3.0m~5.0m)や赤色(5.0m以上)のエリアは、木造家屋の2階まで水没する危険性を示しています。
これらの地域では、エリア外へ逃げる立ち退き避難が原則となります。
4.ハザードマップを活かして安全な家づくりを
ハザードマップは「本当にこの土地で大丈夫かな?」とよぎる不安を払拭してくれます。
自然災害を完全に防ぐことはできませんが、リスクを知ることで備えることができます。
そのため、安全な家づくりの方法も押さえておきましょう。
住みたいエリアのリスクを確認する
まずはハザードマップを活用して土地の自然災害リスクを把握します。
洪水リスクが低くても高潮や土砂災害、津波のリスクがある場合があるため、全てのハザードマップを確認することが大切です。
また、床下浸水で済むのか、2階まで水没するのかによって暮らし方は大きく変わります。
そのため、マップ上で色が塗られている場合は、何メートル浸水する可能性があるかも確認してください。
避難場所や経路を確認する
また避難ルートが確保できるかどうかも重要です。
最寄りの指定緊急避難場所を探し、そこまでの道が安全かどうかを確認してください。
避難場所が近くても、道が浸水したり橋が落ちたりする恐れがある場合は避難できません。
また、家を建てる前に現地確認を行いましょう。
実際に歩いてみると、地図には載っていない危険に気づくことができます。
基礎や外壁で水害対策する
浸水危険区域に家を建てる場合は、被害を最小限に抑える減災対策を取り入れましょう。
有効なのは、建物を高くすることです。
敷地全体に土を入れて高さを出す盛り土 を行ったり、基礎を高く作る高基礎 を採用したりすることで、床上浸水を防ぎやすくなります。
また、防水性の高い塀を設けるのも有効です。
また耐震等級3を取得しておくと、地震だけでなく自然災害への備えとなります。
火災保険の内容を検討する
自然災害の被害は想定を超えることがあるため、最終的な復旧手段として火災保険の水災補償を付帯しておきましょう。
火災保険を契約する前に、保険金が支払われるための要件を確認してください。
水災補償では、「床上浸水または 地盤面から45cmを超える浸水」、あるいは「再調達価額の30%以上の損害」といった明確な基準があります。
これらの差で補償対象外となるケースもあるため、ハザードマップの予想浸水深が補償対象か確認しておきましょう。
5.まとめ
山陽小野田市での家づくりにおいて、ハザードマップの確認は避けて通れません。
しかし、自然災害リスクを把握し、土地選びや対策を個人で判断するのは難しいものです。
タナカホームズは、山陽小野田市の地形や災害特性を熟知しています。
「検討中の土地は大丈夫?」「水害に強い家にするには?」「水害補償の対象になる火災保険は?」など、不安なことは私たちプロにお任せください。
お客様が長く安心して暮らせる住まいづくりをトータルでサポートします。
まずは一度、お気軽にご相談ください。
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会社名:田中建設株式会社
部署名:経営管理室
執筆者名:大勢待 昌也
執筆者の略歴 保有資格 住宅ローンアドバイザー
執筆者のSNSのリンク:https://www.facebook.com/oosemachi
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