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2022年10月17日 / 性能

ZEHを簡単にわかりやすく解説|メリット・デメリット、注目の理由とは

マイホームの新築を考えてリサーチを進めていると、ZEHという言葉を見かけることも多いでしょう。今回は、「ZEHについて興味はあるものの、何から調べればよいのかわからない」と困っている人のために、ZEHとはなにかをわかりやすく解説します。メリットやデメリットも理解したうえで導入を検討してみてください。

 

目次

1. 簡単にわかるZEHとは

2. なぜ今「ZEH」が注目されているのか?

3. ZEH住宅に必要な3つの定義

4. ZEHのメリットとは?

5. ZEHのデメリットとは?

6. 条件別のZEH基準とは?

7. ZEHの種類

8. 中国地方・山口県のZEH住宅

9. まとめ

 

 

 

1.簡単にわかるZEHとは

ZEHは、「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の頭文字を取ったもので、「ゼッチ」と読みます。

断熱性能の向上と高効率な省エネ設備の導入によって消費エネルギーを抑えつつ、自らもエネルギーを創出することで、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロもしくはプラスにすることを目指す住宅を指す言葉です。

太陽光パネルなどによる自家発電で再生可能エネルギーを創り出す点が大きな特徴で、従来の省エネ住宅の考え方に、消費エネルギーの100%をまかなおうという新しい概念が追加されています。

 

 

 

2.なぜ今「ZEH」が注目されているのか?

地球温暖化対策のひとつとして、「消費エネルギーを抑えて快適に過ごせる家を普及させることで、社会全体のエネルギー使用量を減らそう」というアイデアが生まれました。

日本政府も、「2030年までに新築住宅の平均でZEHの実現を目指す」と目標を掲げ、ZEH住宅の新築・購入に対する補助金も展開しながら普及を推進しています。

環境保全につながったり、補助金が使えたりとメリットが多いZEH住宅は、これからの住まいのスタンダードとして注目されています。

 

 

 

3.ZEH住宅に必要な3つの定義

ZEH住宅では、「省エネ」「創エネ」「断熱」の3点からの取り組みが必要です。それぞれ詳しく解説します。

 

エネルギー消費を減らす「省エネ」

ZEH住宅では、高性能な省エネ設備を導入して一次消費エネルギーを効率よく使う必要があります。

主に、空調、照明、給湯、換気の4つの機器での取り組みで、基準一次エネルギー消費量から20%以上を削減しなければなりません。

具体的には、気密性の高い窓サッシやドア、熱効率の高い給湯システムなどの導入があげられます。

 

エネルギーを創り出す「創エネ」

創エネとは、文字どおりエネルギーを創り出すことです。

ZEHでは、エネルギー消費量を抑えるだけでなく、家庭で使用するだけの電力を創出することで、電気を自給自足する家を目指します。

再生可能エネルギーの導入は、必須です。

代表格は太陽光発電システムで、家庭の年間消費エネルギーを補える創出力が求められます。

 

家の性能を高める「断熱」

ZEH住宅では、基準値以上に断熱性や気密性を向上させることで、冷暖房をなるべく使わなくても快適に過ごせる屋内環境を実現します。

隙間がなく、保温力が高い家は、例えるなら魔法瓶のような住まいということです。

夏は涼しく冬は暖かい、家中どこにいても温度差があまりない、といった快適な生活を送れます。

 

 

 

4.ZEHのメリットとは?

環境保全の観点から政府も推奨するZEH住宅は、住む人にとってもメリットの多い家です。

主なものを確認しておきましょう。

 

光熱費の削減

断熱性が高く、優れた省エネ設備を備えるZEH住宅では、エネルギー消費量自体が大きく抑えられます。

並行して、創エネで電力を自家消費できるうえ、使い切れなかった分は売却することも可能です。

省エネと売電利益によって、光熱費の大幅な削減が見込めます。

 

健康・快適に過ごせる

ZEH住宅は、室内の温度を逃がしにくい家です。

断熱性能が高いと、室内の体感温度は約4℃も違うといわれています。

また、室内温度を均一に保てるという特徴もあるため、冬の温度差によるヒートショックの発生リスクも軽減できます。

 

不動産の資産価値が高まる

ZEH住宅は、高性能住宅として高く評価されている家です。

そのため、売却時にも高く売れると予想されます。

マンションでも同様の傾向がみられるため、ZEHの導入は不動産の物件価値上昇に直結していると考えられるでしょう。

 

高額な補助金が受けられる

2022年現在、国が展開するZEH支援事業の補助金額は、ZEH住宅で1戸あたり55万円、ZEH+住宅では1戸あたり100万円です。

住宅ローン控除や自治体の独自財源で展開されるZEH補助金とも併用可能で、上手に活用すれば高額な補助を受けられます。(ZEH+については後述します)

 

ZEH補助金をもらうための条件

ZEH補助金の対象となるのは、ZEHビルダー・ZEHプランナーに登録されている建築会社が建てた、ZEHの建物条件を満たす住宅のみです。

また、補助金は公募方式で、申請や代金支払い完了の期間が定められています。

スケジュールが合致することも重要な条件です。

 

次世代HEMS実証事業

ZEH+とNearly ZEH+の場合、蓄電システムまたはV2H充電設備(充放電設備)のいずれかを導入すると補助金が追加されます。

加えて、燃料電池や太陽熱利用温水システムを導入することも可能です。

また、太陽光発電システムによるエネルギーの自家消費量拡大を目的としたAIやIoT技術による最適制御を備えていなければなりません。

Nearly ZEH+については後述します。

 

災害に強い

ZEHに欠かせない太陽光発電システムは、災害など突然の停電にも対応可能です。

蓄電池を併用すれば、非常用電力を確保できます。

自分の家族だけでなく、近隣の人にも利用してもらえば、シェルターのような存在になるでしょう。

 

 

 

5.ZEHのデメリットとは?

多くの魅力があるZEH住宅ですが、いくつかのデメリットもあります。

把握したうえで導入を検討しましょう。

 

建築コストが上がる

基準を満たすために最新設備や太陽光発電システムを導入しなければならないZEH住宅では、建築費用が上がってしまうのが難点です。

一般住宅に比べて初期費用に200~300万円程度の追加コストがかかるといわれています。

 

定期的なメンテナンスが必要

一般住宅よりも高性能な設備を備えるZEH住宅では、定期的なメンテナンスが欠かせませんが、その分、手間や費用が発生します。

リフォーム時にも、再設置や取り替えの費用が高い可能性があることを念頭においておきましょう。

 

間取りに制限がある

ZEH住宅は、自由な間取りが組みづらいといわれています。

家の断熱性や気密性を確保しようとすると、壁一面の広い窓や開口部が大きなドアの設置は難しいのです。

住宅性能を重視する分、設計に制限がかかってしまいます。

 

 

 

6.条件別のZEH基準とは?

地域によっては、一般的なZEH基準が実現できないケースがあります。ここでは、地域的なハンディを埋めるための緩和策を紹介します。

 

Nearly ZEH(ニアリーゼッチ)

日照の量や時間が足りないために、太陽光による発電があまり期待できない環境向けのZEH基準です。

寒冷地や低日射地域、多雪地帯などの地域に限って適用されます。

ZEH住宅同様の省エネ性能と断熱性は必要ですが、創エネ量は緩和されています。

再生可能エネルギーの創出で消費エネルギーの75%以上まかなえることが条件です。

 

ZEH Oriented(ゼッチオリエンテッド)

太陽光パネルが設置できない環境向けのZEH基準です。

都市部狭小地の2階建て以上および多雪地域に限って、太陽光発電を設置しない、または十分な発電量をまかなえるだけの設置ができない場合も、ZEH住宅として認められます。

一次エネルギー消費量の20%以上削減が条件で、再生可能エネルギー発電設備の導入は求められません。

 

 

 

7.ZEHの種類

ZEHの性能は、日々向上しています。

ここでは、進化に合わせて追加されたさまざまなZEHの種類を紹介します。

 

ZEH+(ゼッチプラス)

ZEH+は、ZEHより高い省エネ、創エネ性能を実現する住宅です。

ZEH基準に加え、次の2つ以上を導入して再生可能エネルギーの自家消費を拡大します。

・外皮性能のさらなる強化

・HEMS(ヘムス)導入による高度エネルギーマネジメント

・電気自動車(PHV車を含む)の充電設備または充放電設備 断熱

・気密性能の一層の向上や太陽光発電システム

・電気自動車の高度活用

 によって、よりハイレベルなZEH住宅を目指すものです。

 

次世代ZEH+(ジセダイゼッチプラス)

次世代ZEH+は、ZEH+をさらに発展させた住宅です。

再生可能エネルギーの自家消費をより強化し、CO2排出量の抑制も目指します。

ZEH+の基準に加えて、蓄電システム、燃料電池、V2H充電設備(充放電設備)、太陽熱利用温水システムのいずれか1つ以上を導入することで、自家消費エネルギーの拡大とさらなる省エネ化を図ります。

それぞれの設備について細かい要件がありますので、導入の際にはしっかりと確認してください。

 

ZEH-M(ゼッチマンション)

ZEH-Mとは、ZEH基準を満たしたマンションのことです。

補助金事業も展開されてはいますが、マンションを建てた事業者が対象で、購入する人向けではありません。

住宅用途部分が21層以上の超高層ZEH-M、6~20層の高層ZEH-M、1~5層の低中層ZEH-Mに分けられます。

いずれの場合にも戸建てと同じレベルの基準が求められるため、購入に対する補助金はなくとも、光熱費の削減や資産価値上昇といったメリットは得られます。

 

 

 

8.中国地方・山口県のZEH住宅

省エネ基準は、地域の気候に合わせて8つの段階に分けられています。

また、ZEH要件のなかでも特に注目される強化外皮基準はUA値(外皮平均熱貫流率)という指標で表され、こちらも地域区分ごとに推奨される値が定められています。

山口県は、5地域~7地域に分類され、求められるUA値は0.6以下です。

山口県は、独自でZEH補助金も展開しています。県産省・創・畜エネ関連設備を導入することと、内覧会(完成見学会)を開催することが条件です。

 

 

 

9.まとめ

省エネ・創エネ・断熱性によって年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロもしくはプラスにすることを目指すZEH住宅は、今後、住まいのスタンダートになると考えられている家です。

初期費用やメンテナンスのコストはかかりますが、光熱費が抑えられたり、補助金が活用できたりするため、長い目で費用対効果を考える必要があります。

中国地方・山口県でZEHの導入を検討中なら、タナカホームズにご相談ください。

ローコストなのに高品質高性能な家づくりにこだわるタナカホームズであれば、ZEH住宅の基準を達成する快適な家が手に入ります。

 

 

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会社名:田中建設株式会社

部署名:経営企画部

執筆者名:大勢待 昌也

執筆者の略歴 

保有資格 住宅ローンアドバイザー 

執筆者のSNSのリンク:https://www.facebook.com/oosemachi