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2021年9月10日 / 構造

家の屋根の形状12選と素材6選|それぞれのメリットや選ぶ際のコツを解説

 

屋根の形状や素材によって、家の雰囲気は大きく変わります。

この記事では、これから家を建てようと計画されている人に向けて、家の屋根の形状や素材の特徴について解説しています。

また、屋根の形状や素材別のメリット・デメリット、選ぶ際のコツ、注意点などについても解説しているため、ご自身の家づくりの参考にしてください。

 

 

目次

1.家において屋根が重要な理由

2.家の屋根の形状【12種類】

3.代表的な屋根の素材【6種類】

4.最適な屋根を選ぶためのコツ

5.まとめ

 

 

1.家において屋根が重要な理由

家づくりでは、外壁や内装、住宅設備、インテリアなどを重視しがちですが、屋根についても考慮する必要があります。

どのような屋根の形状や素材を選ぶのかによって、家のデザイン性はもちろん、住み心地や雨漏りのリスク、将来必要になり得るメンテナンス費用などが大きく変わってきます。

 

 

 

2.家の屋根の形状【12種類】

 

日本で代表的な屋根の形状は、切妻屋根・片流れ屋根・寄棟屋根・陸屋根などが挙げられます。

このほかにも、さまざまな形状の屋根が存在します。

それぞれの屋根の特徴やメリット・デメリットについて確認していきましょう。

 

 

■切妻(きりづま)屋根

切妻(きりづま)屋根は、日本でも人気の屋根です。

三角形のような形状をしており、「山型」や「本を開いて伏せた形」というように表現される場合があります。

切妻屋根は、2枚の流れを頂上部であわせたシンプルな構造のため、平屋から2~3階建てなどのさまざまな住宅に取り入れやすい屋根として知られています。

 

メリット・デメリット

切妻屋根を選ぶメリットは、流れが頂上部であわさるシンプルな構造であることから、水はけがよく、安いコストで設置できることです。

一方、デメリットは屋根の頂上部付近などの紫外線が当たりやすい場所が劣化しやすいことです。

 

 

 

■片流れ(かたながれ)屋根

片流れ(かたながれ)屋根は、切妻屋根に流れが2枚あるのに対し、片側のみに傾斜のある流れで構成されている屋根です。

すっきりとしたイメージから、洋風やスタイリッシュな外観の家、狭小住宅などに向いています。

また、流れの面積が大きいため、太陽光発電システムを導入したい場合におすすめの形状です。

 

メリット・デメリット

片流れ屋根のメリットは、デザイン性が高く、屋根裏のスペースを有効活用できることです。

また、シンプルな構造のため、比較的安いコストで設置できます。

一方、デメリットは風雨を一面で受けやすいため耐風性が低く、大雨の日は雨どいがあふれる可能性があります。

 

 

 

■寄棟(よせむね)屋根

寄棟(よせむね)屋根は、切妻屋根と同様に設置されるケースが多い形状の屋根です。

台形の屋根と三角形の屋根の合計4枚で構成されており、それぞれの屋根に勾配がついています。

2枚の流れで構成されている切妻屋根に比べて、継ぎ目が多い点が寄棟屋根の特徴のひとつです。

また、切妻屋根よりも勾配の角度が小さいため、流れの長さが短い傾向にあります。

 

メリット・デメリット

寄棟屋根を選ぶメリットは、4枚の屋根で支えるため耐風性が高く、外壁の大部分を雨や紫外線から守りやすいことです。

一方、デメリットとして、継ぎ目が多いために建築コストが高くなりやすい、ソーラーパネルの設置がむずかしいなどが挙げられます。

 

 

 

■陸(りく・ろく)屋根・フラットルーフ式無落雪屋根

陸(りく・ろく)屋根は、勾配がない平らな形状をしており、鉄筋コンクリート造の住宅で多く見られます。

フラットルーフ式無落雪(むらくせき)屋根も同じ形状で、落雪による事故を防ぐために北海道などの積雪地域で建てられる住宅に設置するケースが多いです。

すっきりとした見た目のため、デザイン性の高い住宅などにも向いています。

無落雪(むらくせき)屋根については、別で解説します。

 

メリット・デメリット

屋根の形状が平らなため、屋上を設置できるほか、掃除やメンテナンスを行いやすいメリットがあります。

ただし、屋根に勾配がないことから、水や雪が溜まりやすいため、定期的な点検やメンテナンスが必要です。

 

 

 

■バタフライ型屋根・スノーダクト式無落雪屋根

バタフライ型屋根は、切妻屋根をひっくり返したようなV字型の形状をしている屋根です。

2枚の流れが接合する中央部が最も低く、羽を広げたチョウチョのような個性的な形状が特徴的です。

スノーダクト式無落雪屋根も、バタフライ型屋根と同様の形状をしています。

他の家と差別化した家を建てたい場合におすすめです。

無落雪(むらくせき)屋根については、別で解説します。

 

メリット・デメリット

個性のある外観の家を建てられるうえに、中央部の窪みに融雪用の機器を設置すれば雪が自然に解けるため雪下ろしをする必要がありません。

ただし、水や雪が溜まりやすいため、排水処理や積もった雪の重量に耐えられる強度にする必要があります。

 

 

 

■無落雪屋根(フラットルーフ方式・スノーダクト式・勾配屋根方式)

無落雪屋根は主に3種類あり、積雪地域での雪下ろしの手間を省ける形状の屋根です。

フラットルーフ方式は、ほぼ水平に近い緩やかな傾斜がついており、雨水や雪解け水は傾斜のある方向へ流れます。

スノーダクト式は、雨水や雪解け水が中央にあるダクトを伝って排水できる屋根です。

勾配屋根方式は、三角形の屋根に雪止めが設置されており、雪解け水が横方向に流れ落ちます。

 

メリット・デメリット

無落雪屋根は、雪下ろしにかかる負担軽減や落雪による事故のリスクを減らせます。ただし、雪が溜まりやすいため強度のある屋根が求められます。

また、雪庇(せっぴ)・雨漏り対策が必要なため、年1回のメンテナンスが不可欠です。

 

 

 

■方形(ほうぎょう)屋根

方形(ほうぎょう)屋根は、寄棟屋根や四角錐、ピラミッドなどに似た形状をしている屋根です。

4枚の屋根には同じ角度の傾斜がついているため、雨や雪が溜まりにくく四方に分散されます。

 

メリット・デメリット

メリットは、四方で支え合う構造をしているため、風雨に強く外壁を守りやすい点です。

一方、デメリットは屋根の形状にあわせて正方形の設計にする必要があることから、間取りや外観のデザインが制限されてしまう点です。

 

 

 

■入母屋(いりもや)屋根

入母屋(いりもや)屋根は、三角形の切妻屋根と4枚の屋根で構成される寄棟屋根を組み合わせた形状の屋根です。

寄棟屋根の上に切妻屋根が設置されるのが一般的で、都心部よりも地方で多く見られる形状です。

 

メリット・デメリット

メリットは、耐風性・断熱性・通気性が高いことです。

また、日本家屋の伝統的な屋根のため和風の外観の家に向いています。

デメリットは棟からの雨漏りするリスクがあること、複雑な構造をしているため、建築・メンテナンス費用が高額になりやすいことです。

 

 

 

■差しかけ屋根・招き屋根

差しかけ屋根・招き屋根は、切妻屋根の片面をずらしたようなユニークな形状の屋根です。

屋根と屋根の間隔は自由に設計でき、外壁部分に窓を設置するなど、デザインの選択肢が広がります。

 

メリット・デメリット

メリットは、採光がとりにくい土地に家を建てる場合でも、屋根と屋根の間の外壁に窓を設置して自然光を取り入れられることです。

デメリットは、下側の屋根に雨漏りが発生するリスクが高くなる点です。

 

 

 

■半切妻(はんきりづま)屋根・はかま腰屋根・ドイツ屋根

半切妻(はんきりづま)屋根・はかま腰屋根・ドイツ屋根は、建築基準法で高さ斜線制限のある土地に家を建てる際に採用されるケースが多い屋根です。

切妻屋根の頂上部を平らにしたような形状のことを半切妻といい、屋根の高さを調整できます。ドイツでは一般的な屋根のため、ドイツ屋根とも呼ばれています。

 

メリット・デメリット

メリットは、室内の面積を小さくせずに2階建ての家を建てられることです。

また、ドイツ風のデザインにしたい場合におすすめです。

ただし、継ぎ目が多いため雨漏りのリスクが高まります。

定期的な点検やメンテナンスが必要です。

 

 

 

■越(こし)屋根

越(こし)屋根は、大きな切妻屋根の上に小さな切妻屋根が組みあわさった形状の屋根です。

なかには、屋根から突出した窓に小さな切妻屋根を乗せたタイプの屋根もあります。

一般住宅で採用されることはあまりありません。

 

メリット・デメリット

メリットは、断熱性や通気性に優れており、夏は屋根裏の熱気を屋外へ排出できる点です。

デメリットは、複雑な形状をしているために施工費用が高くなること、点検やメンテナンスに高度な技術が求められることです。

 

 

 

■鋸(のこぎり)屋根

鋸(のこぎり)屋根は、片流れ屋根の建物を組み合わせたような形状で、横から見るとギザギザしたノコギリの刃に似ている屋根です。

一般住宅で採用されることは少なく、広い工場などの屋根に用いられる場合が多いです。

 

メリット・デメリット

メリットは、屋根と屋根の間の外壁に窓を設置でき、自然光を取り入れやすい点です。

一方、デメリットは屋根の間の外壁部分に継ぎ目ができることから雨水が流れ込みやすくなり、雨漏りのリスクが高まる点です。

 

 

 

■錣(しころ)屋根

錣(しころ)屋根は、寄棟屋根の上に切妻屋根を組み合わせたような形状をしています。

寺院などの伝統的な建物によく用いられる屋根で、一般住宅に採用されることは少ないです。

 

メリット・デメリット

メリットは、寄棟屋根と切妻屋根の二段構えの外観から、厳かな雰囲気を演出できることです。デメリットには、複雑な構造のため施工費用が高くなりやすいこと、継ぎ目が多く雨漏りのリスクが高くなることが挙げられます。

 

 

 

3.代表的な屋根の素材【6種類】

 

ここでは、屋根に使用される代表的な6種類の素材について解説します。

 

■ガルバリウム鋼鈑

ガルバリウム鋼鈑は、アルミニウムや亜鉛、シリコンを合金に加工したものの総称を意味する金属製の屋根材です。

軽量かつ耐久性・防水性が高いため、一般住宅の屋根に使用されるケースが増えています。

防水性に高いことから、積雪地域でも採用されています。ただし、強風や塩害に弱いため、定期的にコーティングを再塗装しなければなりません。

 

■ジンカリウム鋼板(石粒付きガルバリウム鋼鈑)

ジンカリウム鋼板(石粒付きガルバリウム鋼鈑)は、細かく砕かれた天然石をガルバリウム鋼板に吹き付けた屋根材です。

ガルバリウム鋼板よりも断熱性・耐久性・遮音性が高く、定期的な塗装を必要としません。

吹き付ける天然石の色を変えることで、見た目の印象を変えられます。

とくに、洋風の家に向いています。

 

 

 

■トタン

トタンは、鉄板を亜鉛メッキで覆われた金属製の屋根材です。

屋根のほかに外壁にも使われることがあります。

トタンを使用すれば安いコストに抑えられますが、デザイン性・断熱性・耐久性・遮音性が低いため一般住宅にはあまり向いていません。

ただし、近年は進化しており雨漏りや耐久性が高いものもあります。

 

 

 

■スレート

スレートは、粘板岩が用いられている天然スレートと、セメントと繊維材料を薄い板状にした化粧スレートの2種類があります。

天然スレートは防火性や耐水性が高く、屋根材として人気です。

化粧スレートは耐震性が高く、施工費用を安く抑えられます。

ただし、化粧スレートはひび割れやカビが発生しやすいため、10年に1度程度は塗装によるメンテナンスが必要です。

 

 

 

■瓦(日本瓦・西洋瓦)

瓦(日本瓦・西洋瓦)は、粘土瓦やセメント・コンクリートが原料の瓦、いぶした瓦、釉薬でツヤ出しされた瓦など、さまざまな種類があります。

粘土瓦は耐久性が高く、最長で100年程度使用できるといわれています。

ただし、瓦は他の屋根材よりも重いため、瓦の重みに耐えられる耐久性の高い外壁と屋根に施工しなければなりません。

 

 

 

■アスファルトシングル

アスファルトシングルはガラス基材の表面にアスファルトをコーティングしたシート状の屋根材で、海外で人気があります。

安価で施工できるうえに、アスファルトの色を変えることでさまざまな色合いの屋根に仕上げられます。

 

 

 

4.最適な屋根を選ぶためのコツ

最適な屋根は、理想のマイホーム像や建築上の条件などによって変わってきます。

屋根の種類や素材を選ぶ際は、デザインだけでなく機能性や法律なども考慮しなければなりません。

屋根選びを間違えると、施工費用やメンテナンス費用などが高くなるため、専門家に相談しながら決めることをおすすめします。

 

 

 

5.まとめ

屋根にはさまざまな種類の形状や素材があるため、それぞれの特徴やメリット・デメリット、機能性などを把握したうえで、最適な屋根を選ぶことが大切です。

屋根選びには専門知識が必要なため、専門家に相談して決めましょう。

 

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